こんにちは。
「オーディオの小部屋」を運営している、
40代・リビングオーディオ派の普通のお父さんです。
リビングの中で場所を移動すれば、
音の印象が変わるのは、ある意味では当然のことだと思っています。
ただ、どこにいても不快に感じることはなく、
その場所なりに「ちょうどいい音」に変わっている。
これまでは、そんなふうに感じながら聴いてきました。
自分のセッティングが特別に優れている、
というよりは、
スピーカーとアンプの選択が
結果的にうまくはまっていたのではないかと思っています。
いずれにしても、
リビングの中を移動すると、
その場所に応じた音がきちんと聞こえてくる。
では、その「場所ごとの音の違い」は、
実際にはどのような特性を持っているのか。
今回はそれを、
感覚だけでなく、数値でも確認してみたいと思いました。
今回測った場所について
今回、音圧(Sound Pressure Level)を測定したのは、
リビング内の次の3か所です。
- スピーカー正面(メインリスニングポジション)
- ダイニングテーブル付近
- キッチン付近
同じスピーカー、同じ音量設定でも、
立つ場所が変わるだけで音圧がどのように変化するのかを
周波数ごとに確認してみました。
我が家のリビング構成と測定位置について
測定結果を理解しやすくするために、
まずは我が家のリビングの大まかな構成と、
測定位置の関係を簡単に整理しておきたいと思います。
リビング全体のレイアウト

テレビとスピーカーを正面に配置し、
その正面にカウチソファを置いた、
ごく一般的なリビングレイアウトです。
- C:ソファ中央(メインリスニングポジション)
- D:ダイニングテーブル付近
- K:キッチン付近
リビングの奥に向かって
ダイニングからキッチンへと空間が続いており、
日常生活の中で自然に移動する動線上に
測定ポイントを設定しています。
「音楽をきちんと聴く場所」
「ながら聴きになる場所」
「存在だけを感じる場所」
その違いが、
測定結果にどう表れてくるのかを
見てみたいと思いました。
測定方法について(先に)
※ 今回の測定に使用したアプリや、
実際の測定手順については、別記事でまとめています。
測定方法を先に確認したい方は、
こちらをご参照ください。
▶ リビングでの音圧測定に使ったアプリと測り方
https://cinchei.hateblo.jp/entry/2026/01/05/133026
測定結果:聴く位置による周波数応答の違い
まずは、今回の測定結果を
そのままグラフで見てみます。
スピーカー正面(C)を基準に、
ダイニング(D)、キッチン(K)へと離れるにつれて、
全体的に音圧が下がっていく傾向が見られます。
特に低中域(125〜500Hz)では、
位置による差が比較的大きいように感じます。
スピーカー正面(C):基準としての音
まずはスピーカー正面、
ソファ中央のリスニングポジション(C)です。
ここは普段、
一番しっかり音楽を聴いている位置でもあり、
結果としても
もっともバランスが取れているように感じます。
- ボーカルに厚みを感じる
- 楽器の位置関係が分かりやすい
- 音が前に出てくる印象がある
特に250Hz〜500Hz付近、
声や楽器の「胴体」にあたる帯域が
比較的しっかり出ているように見えます。
この帯域がある程度保たれていると、
音が「情報」ではなく、
「演奏」として感じやすくなるのではないかと思います。
この位置が、
このリビングにおける基準(reference)
になるのだと感じています。
※ なお、今回の測定で使用している
アンプ・スピーカーなどのリビングオーディオ構成については、
別記事でまとめています。
どのようなシステムで
この音になっているのかが気になる方は、
こちらをご参照ください。
▶ 現在使用しているリビングオーディオのシステム構成
https://cinchei.hateblo.jp/entry/2025/10/11/191322
ダイニング(D):少し距離を取った音
次はダイニングテーブル付近(D)です。
スピーカー正面(C)と比べると、
全体的に 3〜5dBほど音圧が下がっている ように見えます。
体感としては、
- 音ははっきり聞こえる
- ただし前に出てくる感じは弱まる
- 少し軽く感じられる
といった印象です。
特に250Hz付近が下がることで、
ボーカルや楽器の「肉付き」が
控えめになっているように感じます。
食事をしながら、
家族と会話をしながら聴くには、
このくらいの距離感が
ちょうど良いのではないかと思います。
キッチン(K):空間としての音
最後はキッチン付近(K)です。
ここまで離れると、
音圧は –8〜–12dB程度 まで
下がっているように見えます。
特に低中域(125〜500Hz)の落ち込みが大きく、
- 音が薄く感じられる
- 近さがなくなる
- 情報量が減る
といった印象になります。
体感としては、
「どこかで音楽が鳴っている」
「曲は分かるけれど、感情までは入りにくい」
そんな距離感だと感じます。
キッチンでは、
音楽は主役というよりも、
空間の一部として存在している
ように思います。
周波数ごとに見た変化
測定結果を
周波数帯ごとに整理してみると、
おおよそ次のように感じられます。
- 125Hz
低音の重さや床感が減るように感じる - 250Hz
声や楽器の「体」が細くなる印象 - 500Hz
存在感が弱まり、背景音に近づく - 1kHz以上
比較的残るが、距離を感じやすい
そのため、
離れるほど音は消えないが、
「人っぽさ」や「近さ」が
少しずつ失われていく
そんな変化だと感じました。
この変化について思うこと
今回あらためて感じたのは、
この結果は必ずしも
「失敗」や「問題」ではない、ということです。
- 正面では、音楽をしっかり楽しめる
- ダイニングでは、自然なBGMになる
- キッチンでは、空気として音が存在する
家のどこにいても
同じ音を求めるよりも、
場所ごとに役割が変わる音のほうが、
リビングという空間には
合っているのではないかと思います。
まとめ
リビングの中で音は、
- 近づくと「音楽」として感じられ
- 離れると「空間」として存在する
今回の測定を通して、
これまで感覚的に捉えていた違いが、
ある程度、数値としても
確認できたように感じます。
こうした結果を眺めながら、
「だからリビングオーディオは面白いのだろうな」と
あらためて思いました。
また何か気になったことがあれば、
測りながら考えてみたいと思います。
▶スピーカーの壁からの距離による音が気になる方はこちらも読んでみてください。 https://cinchei.hateblo.jp/entry/2026/01/05/133026
▶スイートスポットについて気になる方はこちら https://cinchei.hateblo.jp/entry/2025/12/26/141334